otomo、JTB・せとうちDMOと資本・業務提携 プライベートツアー全国普及へ

2020.08.24 00:00

付加価値の高いツアーには地域の協力と人材が欠かせない。地域と二人三脚のスタンスを継続する

 少人数プライベートツアーを手掛けるotomo(オトモ)はJTB およびせとうちDMO と資本・業務提携を行った。瀬戸内エリアを皮切りに全国で地域の観光資源とガイド人材を生かしたサービスを共同で推進する。コロナ禍で安心・安全な旅行形態が求められるなか、最大6人のグループを専属ガイドが案内する同社のツアーの需要が拡大すると判断。JTBの事業者ネットワークや販売力、せとうちDMO の地域の知見を生かし、コンテンツ開発からプラン造成、ガイド育成、販売プロモーションまで一気通貫で行う。

 昨年1月の事業開始以降、展開エリアは15都道府県に拡大し、1000人以上がガイドとして登録する。次の成長を模索していたところ、テクノロジーを駆使したスピーディーで効率的かつ低廉なツアー造成のノウハウと運営体制が評価され、昨夏から協議を開始した。資本提携はオトモが発行する新株予約権をJTB とせとうち観光活性化ファンドが引き受ける形で、持ち株比率はいずれも数%程度となる見通し。

 オトモの平塚雄輝代表取締役CEOは「コンテンツの掘り起こし、商品化、ガイド育成がばらばらに行われているのが各地域の現状。これをパッケージで提供し、インフラとして根付かせたい」と話す。大人数のツアーでは入り込めなかった地域にも導入することで旅行者の体験の引き上げにもつなげる。

 秋口をめどにモデル地域を1カ所決め、基盤をつくる。「駅や観光案内所、宿泊施設など、現地のどこででも申し込める環境を整えたい」(同)

 プライベートツアーは訪日客向けに実施してきたが、訪日の再開が見通せないなか、まずは日本人の国内旅行で提供する。元来ニーズはあり、今後は対象市場を分けずに展開する。