バリーズ、Z世代開拓へ新事業 コロナ契機に地域事業者の客層拡大

2020.07.27 00:00

同世代の市場開拓に向け、打ち合わせる大学生。
観光を通じた社会貢献への思いが強いという

 女子旅マーケティング会社のバリーズは新型コロナウイルス感染拡大の深刻なダメージを受ける地方観光を盛り上げるため、Z世代(1997~2004年生まれ)の国内旅行需要を掘り起こす事業を7月に開始した。Z世代の需要や志向を捉える調査を実施し、地方の観光事業者が受け入れにあたり対応すべき課題を把握する。求められる観光のあり方を提示し、新たな若年層の国内旅行拡大につなげる。 

 同社は旅好きなミレニアル世代の女性コミュニティーを SNSで形成し、海外旅行を中心としたメディア運営や観光局・旅行業界のマーケティング支援を手掛けてきた。緊急事態宣言解除後には、稼働率低下で悩む国内宿泊施設とインフルエンサーをマッチング。インフルエンサーが施設の衛生安全基準をチェックし、発信するなどの取り組みを行っている。コロナ禍を契機に、地方の観光事業者がこれまで獲得できていなかった若年層など新たな需要を求めていることから、Z世代の開拓に着手した。

 プロジェクトには、同社でインターンを希望していた東洋大学国際観光学部2年の女子学生2人がまず参加。自身のコミュニティーを生かし、100人を超える対象者に希望する旅行などを調査した。8月中に傾向をまとめる予定だ。

 広報・PR担当の平松ゆい氏は今後の展開について、「地方自治体やホテルなどと協力したプロジェクト展開を考えている」と話す。コロナ禍における需要回復に向けて行動力のある若年層に着目することが重要とし、これまで訪日外国人やシニア層に頼ることが多かった国内観光業のあり方を見直すきっかけにもなるとの考え。将来的には、Z世代の海外旅行需要拡大につなげたい意向がある。

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