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東武トップツアーズ、企業版ふるさと納税の新会社 法人営業強みに地域とマッチング

2020年7月27日 12:00 AM

新会社の社長を務める坂巻伸昭氏(中央左)と会長に就いた椎川忍氏(同右)。3~4年かけて協議してきた

 東武トップツアーズは一般社団法人地域活性化センターと合弁会社を7月3日に設立し、企業版ふるさと納税で法人と地域をマッチングする新事業に乗り出した。強みとする法人営業と47都道府県の支店網を生かし、企業に制度周知や地域貢献事業の企画・提案を行う。出資比率は東武トップツアーズが60%、地域活性化センターが40%。社長には東武トップの坂巻伸昭代表取締役社長が就いた。

 企業版ふるさと納税は、国が認定した地方公共団体の地方創生プロジェクトに企業が寄付すると、法人関係税から税額控除する制度。45道府県・655市町村が認定を受けているが、個人版に比べ寄付がごく少額にとどまっており、政府は制度活用促進に向けて4月に企業の負担を約1割まで軽減した。ただ、具体的な支援がわからず踏み出せない企業もあり、地域とのマッチングが課題となっていた。

 新会社「企業版ふるさと納税マッチングサポート」では、全国ほぼすべての地方公共団体を会員に持つ地域活性化センターの自治体との関係性と、東武トップの事業者間取引のノウハウを持ち寄る。自治体との密接なつながりは他社との差別化につながるとみている。坂巻社長は、「元気のない所に人は集まらない。地域と企業の架け橋の役割を果たしたい」と意欲を示した。

 地域活性化センターが合弁会社をつくるのは初めて。椎川忍会長は、「思い切った手法。すでにさまざまなプラットフォーム会社があるが、地域にとって低廉な手数料と利益を地域に再投資することを目指した」と語る。

 マッチングの一例は五輪ホストタウンの相互交流事業。相手国と関係が深い企業などに支援策を示す。すでに検討する企業があるという。