2020年7月6日 12:00 AM
新型コロナウイルスの流行で在宅勤務が定着し、新たな働き方を模索する動きが広がるなか、民泊を仕事の拠点などに利用する傾向が高まっている。エアビーアンドビー・ジャパンによると、6月7〜13日の日本国内の予約は前年同期に比べ78%増え、80km圏内の利用と28泊以上の長期滞在が1.6倍となり、8割が貸し切りタイプだった。生活スタイルに合わせて使い方が変化しており、同社は近場の滞在需要の獲得を強化する。
6月30日から日本国内市場向けに「Go Near(身近にある、特別な旅)」と題したキャンペーンを開始した。キッチンや庭が付いた1棟貸し切り型や長期滞在向けの施設をそろえた。設備の検索動向を見ると、キッチンやWi-Fi、洗濯機付きや無料駐車場などが上位を占め、ワーケーションや仕事先で休暇を取るブリージャーでの利用を検討している層がいると分析する。各分野の専門家が案内する自宅でのオンライン体験も充実させる。
田邉泰之代表取締役は、「仕事とプライベートの境目がなくなりつつあり、新しいライフスタイルを構築する時期。われわれにとっては追い風になる」と語る。同社は今年の需要見通しについて、全世界での予約数が通常期の半分程度と予想しており、日本も例外ではないとみられるが、民泊の特性を生かしつつ新たなニーズに即した提案に力を入れる。
利用を促すためには感染防止対策が欠かせない。日本語版の清掃スタンダードを導入し、施設に具体的手順を示すハンドブックを用意するなど、衛生管理の強化を推し進める。利用者には検索ページで準拠の状況を示し、安心感を醸成する。
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