2020年6月22日 12:00 AM
政府が1.7兆円の予算を投じて実施するGoToキャンペーンがようやく動き出す見通しとなった。旅行、飲食、イベントと各分野ごとに運営事務局を分ける体制に変更し、委託企業の選定を経て、8月の早い段階での開始を目指す。実施期間は約6カ月。地場に根差した旅行業者や観光施設、土産物店などにも広く参画を呼びかけ、観光産業の回復と地域経済の活性化を図る。
核となるGoToトラベル事業は、国内旅行を対象に宿泊・日帰り旅行代金の50%相当額を政府が支援する。支援額は1人1泊当たり2万円(日帰りは1万円)が上限で、7割程度を旅行代金の割引に、3割程度を旅行先で使える地域共通クーポンとして旅行者に配布する。修学・職場旅行など団体旅行も対象で、旅行会社や予約サイトのほか、個人の宿泊旅行では宿泊単品の販売や宿泊施設の直販も可能とした。
6月17日の定例会見で観光庁の田端浩長官は、「業界の要望に応え、なるべく早く実施できるようにと考えている」と述べた。とりわけ強調したのが地域共通クーポンの発行だ。「全国津々浦々の中小事業者に裨益するよう行き渡らせたい」。事業者向けに説明会や参加登録等の窓口を設ける予定で、期間中の登録も受け付ける。
ただ、早期開始への業界の期待が大きい一方で、世間では一部に時期尚早との声がある。マーケットに受け入れられる機運づくりが不可欠だ。田端長官は近く業界団体が発表する旅行シーン別の事業者・旅行者向け感染予防ガイドラインに触れ、「双方が互いに取り組むことで安心感を醸成できる。実効性を確保する取り組みを行い、良い政策といわれるようにしたい」との考えを示した。事務局にもそのためのプロモーションに期待を寄せた。
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