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日帰りソロ登山、増加予想で新市場開拓へ余地 野外活動でも3密回避

2020年6月22日 12:00 AM

 登山アプリ・ウェブサービスを運営するヤマップが実施した全国一斉登山トレンド調査によると、今年の登山活動をやめないと答えた人88.8%に上った。一方、人とすれ違う際は適切な距離を保ちたいと答えた人は75.5%だった。3密回避の旅行が求められるなか、野外活動である登山においてもソーシャル・ディスタンスを意識した志向がうかがえる。 

 調査は5月17~22日に全国の登山者2万人を対象に行った。併せて同社が所有するユーザーデータから、緊急事態宣言下では、移動距離を減らした登山や標高が低い山への登山などが増加したことがわかった。散歩など軽度な運動に着目しても、関東地方を筆頭に全国的に増加の傾向が見られた。

 今後実施したい登山形態を見ると、日帰り登山を「とても増やしたい」と答えた人は43.8%となり、「増やしたい」と答えた人も37.0%を占めた。また、参加形態では個人(ソロ)や少人数での機会を増やすことを望む人は77.9% に上った。

 感染予防策では、マスク着用について登山活動中は着用意識が低く、「必要ない」「しなくてもいい」と答えた人が64.7%に上るが、移動時や宿泊時など3密につながりやすい場面では、約9割が着用すべきと答えている。

 これからの時代の登山家志向について同社は、「ご近所登山がスタンダードになっていく」と分析する。必要に応じてマスクを着用するなど、近接する人々への心遣いを常に持ち合わせながら、近くて低い山を楽しむ人が増えるとの考えだ。また、ご近所登山は「登山活動に慣れ親しんだ人でなくても比較的始めやすい」とし、新たな需要が生まれる可能性も指摘している。