2020年6月15日 12:00 AM
JTBの20年3月期(19年4月~20年3月)連結決算は、売上高が前期比5.8%減の1兆2885億6900万円となった。ゴールデンウイーク10連休やラグビー・ワールドカップの効果があった半面、国内旅行や個人事業が振るわず、新型コロナウイルスによるツアーやイベントの中止も重なった。販売・管理費が4.2%減にとどまり、営業利益は78.0%減の13億9300万円、経常利益は15.5%減の25億4800万円。純損益は、減損や事業再編に伴う特別損失の計上で151億1600万円の赤字となった前期の反動で、16億4900万円の黒字に転換した。
売上高を部門別に見ると、訪日旅行は11.5%増の683億9400万円となったが、国内旅行が10.2%減の4545億500万円、海外旅行が6.2%減の4401億1800万円、第三国間のグローバル旅行が4.2%減の1105億7600万円といずれも前期を割り込んだ。
事業別で落ち込みが目立ったのが個人事業で、売上高が9.1%減の6216億300万円、営業利益は97.4%減の1億4500万円だった。海外の添乗員付き商品やチャーターツアーは好調だったが、台風や新型ウイルスの影響に加え、マーケットの二極化に対応するための商品展開や目的型商品を強化した国内旅行が苦戦。市場規模に見合う成果を得られなかったという。販売面では、来店予約制の定着や担当者制を強化し、高単価客は増えたものの、顧客総数は伸び悩んだ。
今期は、渡航制限により7月まで海外ツアーの催行中止を余儀なくされるなど、厳しい状況にある。緊急コスト削減と構造改革に集中的に取り組む。
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