2020年6月15日 12:00 AM
自粛生活でかわいそうなのは子どもたちだった(保護者も先生もかわいそうだが)。有り余るエネルギーや好奇心を室内でまかなうのは無理があるよなあ……。もちろんユーチューブやオンライン授業でカバーできることはあるが、生きるにはそれだけでは足りない。外を走り回り、すっ転んで、友だちと協力して、ケンカして、画面をオフしても終わらないことが人生にはいっぱいあることを経験する必要がある。
なんてことを独身子ナシの私に言われても、って感じだろうが、宿屋をやっていると、世界のどこの親も、子どもに「いろんな経験をさせたい」という思いは一緒なのだと実感するのだ。
本書はそんな子どもたちの「やってみたい・やってもらいたい」体験、冒険が詰まったイタリア発の児童書だ。まず最初のページに、自分の写真を貼って、コードネームやこの本を開いていい人の名前を記入するページがあって、それだけでもワクワクしそう。「冒険の誓約書」や必要なものリストに続いて、いよいよ冒険のスタートだ。
掲載された50のミッションはさまざま。「宝探しをプロデュースしよう」「シャボン玉のなかに入ってみよう」「ねころがって星を見よう」といったかわいいものから、「暗号を書いてみよう」といった勉強にもなるもの、「高い丘から転がりおりてみよう」といった「おいおい大丈夫か」なのもある。ミッションが終わったら感想を書く欄もあり、実際にやらなくてもその方法についての解説や「この本を読んでみよう」といった小ネタが学習を助けそう。
コロナの自粛明けには野外活動が推奨されるなんていう話もある。ファミリー向けのプランをつくるときに、こんな本がヒントをくれるかも。13歳未満の子を持つパパママにもおすすめ。
山田静●女子旅を元気にしたいと1999年に結成した「ひとり旅活性化委員会」主宰。旅の編集者・ライターとして、『決定版女ひとり旅読本』『女子バンコク』(双葉社)など企画編集多数。最新刊に『旅の賢人たちがつくった 女子ひとり海外旅行最強ナビ』(辰巳出版)。京都の小さな旅館「京町家 楽遊 堀川五条」「京町家 楽遊 仏光寺東町」の運営も担当。
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