観光庁、水中アクティビティーに統一指針 訪日外国人の拡大に備え
2020.06.08 00:00
観光庁は水中アクティビティーを楽しむ訪日外国人の受け入れ拡大に向け、サービス提供事業者を対象とした統一的な指針を策定した。日本は世界6位の長い海岸線を有するが、海水浴客数が減少傾向にある。一方で、全世界の水中アクティビティー市場は23年までに16年比で約3倍に成長すると予測され、体験ニーズが高い。現状では積極的な受け入れが進む地域は一部にとどまっており、安心かつ満足の得られる環境を構築し、旅行者の広がりに備える。
対象は、インストラクターが付き添う体験ダイビングと、一般参加者に指導団体が定めたプログラムを提供するシュノーケリング。ファンダイビングや素潜り、認定証取得コースは除外した。
内容は主に訪日外国人へのサービス提供と人材の2つで構成される。サービス提供では、訪日外国人にまつわる特有の課題を踏まえ、事故発生時の対応策、予約・決済、案内の仕方などを網羅した。事故への備えでは、大使館などの連絡網を整備し、近隣で外国語対応が可能な病院を事前に確認する。加入する賠償責任保険に通訳手配や救護者費用が含まれるかの把握も必要とした。支払いは、当日キャンセルのリスクをヘッジするため、一部前払いで受領するなどの対策を示した。誤解によるトラブルを避けるため、専門用語や業界用語は外国語で表現する。
人材の面では、求められるインストラクター像として、スキルに加え、言語・文化・地域固有の観光資源に関する知識を持ち、対応できることを挙げた。事業者側には育成計画の策定と達成に向けた育成機会の提供を求め、安全を最優先しつつ満足につながるサービスを創意工夫で実現できる人材の提供を目指すこととした。
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