観光庁、DMO登録基準を厳格化 3年更新制で取り消し規定も

2020.03.30 00:00

 観光庁は日本版DMO(観光地域づくり法人)の登録制度を改正し、新たに更新制や登録取り消し規定を設ける。15年の創設以降、現在までに候補法人を含め267団体が登録されているが、その多くが「観光団体の看板の掛け替え」との指摘があり、組織設計や管理の不十分さが問題となっていた。目的と役割を明確化するとともに要件を厳格化し、世界水準へ底上げを図る。名称も日本版を外し、「登録DMO」に変更した。4月中をめどに施行する。

 有識者会議などの意見を踏まえた。取り組む内容を具体的に解説するガイドラインを作成し、役割として着地整備に最優先に取り組むことが重要と明記した。観光資源の掘り起こしや商品化、多言語表記など受け入れ環境が整わないまま、活動がプロモーションに偏重する法人があるためで、プロモーションは日本政府観光局(JNTO)を最大限活用するよう求めた。

 対象エリアが重なるDMOや自治体とのすみ分けも明文化し、地域DMOと地域連携DMOはソフト面の整備を担う一方、自治体は道路や空港などハード面の整備を担う。広域連携DMOはこれらの成果を集約して戦略策定を実施することが重要とした。

 合意形成では、主導的立場になることが重要として、従来の要件に盛り込んでいた行政・関係団体で構成する協議会等の設置を廃止した。

 更新期間は3年。日本版DMOの登録は17年11月に始まり、第1陣は今年11月に初回の更新を迎える。新要件を満たさない場合や観光庁の助言を受けても検討・改善が見られない場合は登録を取り消す。候補法人への登録後、3年を経過しても本登録していない場合も対象とした。

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