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19年冬期日本発航空座席、韓国線大幅減で120万席に後退

2020年2月24日 12:00 AM

トラベルジャーナルがこのほど実施した2019年冬期の航空座席調査で、国際線定期旅客便の1週間当たりの提供座席数は120万席にとどまった。政治情勢の悪化で韓国線が大幅に減少した一方、中国線が大幅に増加したことで総数は前年同期を上回ったが、19年夏期には届かず、過去最高の連続記録はここで途切れる結果となった。

 19年冬期の週間提供座席数は120万924席となり、前年同期を4.8%上回った。しかし、夏期の124万3531席には届かず、夏期・冬期ベースで13年夏期から13期連続となっていた過去最高記録には至らなかった。

 路線別では、トップのアジア線と2位の中国線がそれぞれ2桁の伸びを示すとともに、夏期も上回って過去最高記録を更新した。特に中国線は28.6%増と大幅な伸びで、シェアも30%台に達した。一方で3位の韓国線は地方路線を中心に減便や運休が相次ぎ、座席数は34.0%減と大幅なマイナスに転じた。韓国線のマイナスは領土問題による日本発需要の減少が続いていた14年冬期以来となる。

 次いで4位の太平洋線は夏期に続いてのプラス。5位の欧州(ノンストップ)線は微増ながらも17年冬期から5期連続でのプラスとなった。また、ハワイ線は19年夏期に続いてのマイナスだが、オセアニア線は15年冬期から9期連続でプラスとなっている。

 今調査対象期間の乗り入れ航空会社数(本邦企業を含む)は98社。18年冬期比では4社増ながら19年夏期比では1社減少した。同夏期調査後に新たに乗り入れたのは、カザフスタンのSCAT航空(DV)、中国・杭州に本拠を置く長竜航空(GJ)、12年ぶりに関西空港に乗り入れたネパール航空(RA=旧ロイヤル・ネパール航空)、フィリピン・エアアジア(Z2)の4社。一方で、ジェットスター・パシフィック(BL)、マリンド・エア(OD)、ウラル航空(U6)が日本路線から撤退、オーストリア航空(OS)は冬期運休で、バニラ・エア(JW)はピーチ・アビエーション(MM)との統合により運航を終了した。

 ローコストキャリア(LCC)の乗り入れは24社で、19年夏期比では1社減、18年冬期とは同数となった。提供座席数は前年同期比で6.8%減の27万5752席と、伸び率は初めてマイナスに転じた。全体に占めるLCCのシェアは23.0%で18年冬期比2.8ポイント減。LCCによる運航が多い韓国線の運休・減便等が相次いだことが影響しているとみられる。

 空港別では、成田と関西がともに8%台の伸びで羽田も堅調だった。中部は新規就航や増便などにより、19年夏期に続いて30%台の伸びを記録した。一方で、韓国線の減便などで福岡は14年冬期以来のマイナスに転じ、那覇も19年夏期に続いてのマイナスとなった。なお、下地島空港(沖縄県宮古市)は19年3月に旅客ターミナルがオープンし、初の国際線として香港エクスプレス(UO)が7月19日から香港線を開設したことにより、今期調査からラインナップに加わった。

 航空会社別のトップ10で全日空(NH)は15年冬期から9期連続の1位。2位の日本航空(JL)も変わらずだが、3位以下では中国・台湾勢等が順位を上げ、韓国勢が順位を下げる形となった。3位には中国東方航空(MU)が19年夏期の5位から、5位には中国国際航空(CA)が10位から、7位にはエバー航空(BR)が11位から順位を上げた。一方で大韓航空(KE)とチェジュ航空(7C)は大きく順位を下げた。