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19年の訪日クルーズ客、中国減速で2桁マイナス 寄港地は多様化

2020年2月17日 12:00 AM

 19年の訪日クルーズ旅客数は前年比12.2%減の215万3000人となった。前年割れは2年連続で、3.1%減だった18年から減少幅が拡大した。全体の8割以上を占める中国発クルーズが14.5%減少したことが影響した。中国発では供給過多により価格競争が激化し、船社が投入を抑える傾向が18年から見られ、それが加速した格好。政府が目標に掲げる20年500万人とは大きな乖離が生じている。

 出発地別に見ると、上海を主とする中国中部が最大の90万4000人で、32.4%減と大きく落ち込んだ。天津など北部が17.6%増の44万1000人、厦門や香港など南部が21.9%増の39万5000人、台湾が4.7%増の28万8000人と続いた。

 数は少ないものの順調に伸びているのは、訪日外国人が増えている日本発着クルーズだ。18年の43.1%増に続いて19年も20.3%増の8万9000人と堅調に推移。特に欧米豪客が多いラグジュアリー船の需要が高まっている。

 寄港数は2.2%減の2867回となり、市場が伸び始めた13年以降で初のマイナス。外国船は1.0%増の1932回となり、中国発が10.6%減の893回、台湾発が2.4%減の241回だった一方、日本発着は20.0%増の707回となった。日本船はガンツウの瀬戸内海周遊クルーズの減少で、8.1%減の935回となった。

 寄港地は中国発の減少で主力の九州がマイナスだったが、その他の地方はプラスとなった。ラグジュアリー客船の訪日クルーズの増加が後押しし、北海道が32.0%増の70回、東北が56.7%増の47回となり、寄港地の分散化が進んだ。首位は那覇で7.0%増の260回と1つ順位を上げた。4年連続首位だった博多が17.9%減の229回で2位、横浜が11.9%増の188回で3位に浮上した。