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全日空が航空券サブスクリプション、泊まり放題のアドレスと連携

2020年2月17日 12:00 AM

 全日空(NH)は航空券の定額制(サブスクリプション)サービスの実証実験を始めた。空き家やシェアハウスに泊まり放題のADDress(アドレス)と連携し、アドレス会員が追加料金を支払えば利用できる。日本で展開されている旅行・観光分野のサブスクは宿泊が中心で、航空券は例がない。需要の低い昼間時間帯の利用底上げを狙うほか、多拠点生活やワーケーションといった新しいライフスタイルの創出につながるとみている。

 1月31日~3月31日の実証実験では、宿泊に月額4万円を支払っているアドレス会員が3万円の追加料金でNHの指定する路線を月2往復まで利用できる。対象は新千歳や福岡、鹿児島など羽田と結ぶ9路線。必ずしも利用する必要はないが、アドレスの登録施設が近辺にある路線を選んだ。定員は期間中50人。30~40代のリモートワーク可能なサラリーマンやフリーランスが主な利用層とみている。

 NHが重点を置くのは関係人口の創出による地域活性化への貢献だ。「クリエイティブな人材が利用する可能性が高く、地方の技術や産業の発展にもつながる」(広報部)。会員制にするなど、関係人口になり得る人に限定したサービス設計を目指し、自治体や地域の関係者と連携しながら中長期的な視点で実証規模を拡大する。

 一方のアドレスは19年10月にサービスを本格的に開始し、現在30以上の物件に自由に宿泊できる。中古車販売のIDOM(イドム)が手掛ける定額乗り換え放題の「NOREL(ノレル)」とも実証実験を行っているほか、JR東日本スタートアップと資本業務提携を締結。宿泊とMaaSなど交通インフラを組み合わせた総合的なサブスクの仕組みづくりを進めている。