19年の国際旅行者、3.8%増の14.6億人 欧州・アジア鈍化
2020.02.10 00:00
世界観光機関(UNWTO)によると、19年(1~ 12月)に世界各地が受け入れた海外からの宿泊を伴う国際旅行者数は、前年に比べ3.8%(5400万人)増加し、14億6100万人となった。10年連続のプラス成長。ズラブ・ポロリカシュヴィリ事務局長は、「観光産業は世界経済の成長率3%を上回って伸び続けている」と強調した。ただ、前年の5.6%に比べ伸びは鈍化。英国の欧州連合(EU)離脱をめぐる混乱やトーマスクックの経営破綻、地政学的・社会的な緊張などが要因で、主に欧州と
アジア太平洋地域が影響を受けた。
インバウンドを示す到着客の動向を地域別に見ると、欧州、アジア太平洋、米大陸、アフリカ、中東の全方面でプラスだった。中東が7.6%増(450万人増)と最も伸び、6390万人が訪れた。最大デスティネーションの欧州は3.7%増の7億4230万人。北欧(1.1%増)と西欧(1.8%増)が伸び悩んだ。
アジア太平洋は4.6%増の3億6360万人が訪れ、前年の7.3%増から成長が鈍化した。細分化して見ると、東南アジア(7.8%増)と南アジア(7.7%増)が好調な一方、日本を含む北東アジアは1.8%増だった。また、地域別で成長率が最も低かったのは米大陸の2.0%増。
UNWTOは20年の国際旅行市場について、東京五輪やドバイ万博など大型イベントを好材料として3~ 4%の成長を予測する。アジア太平洋が5~ 6%増と成長の牽引役になるとしているが、1月20日の発表で新型コロナウイルスの影響は加味されていない。1月末に発表したステートメントでは、近年、中国が旅行市場に与える影響は大きく、新型ウイルスのインパクトはすでに影響が出ているとしながらも、現段階で影響を試算するのは時期尚早としている。
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