ブリージャー促進へ政府が本腰 訪日客の実施率28%、許可企業は8割強

2020.02.10 00:00

 欧米を中心に諸外国で一般的になっているブリージャーを日本で活性化させようと、観光庁が実態調査に乗り出した。出張の前後に休暇を取得して余暇目的の旅行をするブリージャーは、滞在日数や消費単価の向上が狙える。MICEの訪日外国人消費相当額は16年に1500億円で、30年までに8000億円を目指してプレ・ポストMICEを促す。

 1月に有識者でつくる連絡会を立ち上げた。昨年11月下旬から12月初旬に成田空港や首都圏の展示会でビジネス目的の訪日外国人に行った調査によると、同期間中のブリージャー実施率は27.7%だった。延泊日数は4.4日。

 実施率は東南アジアと豪州・ニュージーランドが半数、欧州も40%を占める。これに対し、クリスマスシーズンが影響した北米の16.4%を除くと、東・南アジアが20%程度と低い。企業が業務以外での延泊を禁じていたり、業務以外で延泊すべきでないとの風潮が根強いためだ。

 一方、ブリージャーを許可している企業・団体は全体の85.4%に上った。そのうち23.7%が宿泊・交通費の補助など推奨・支援制度を導入している。

 非実施者の理由は時間的制約が突出しており、観光の魅力の認知不足などネガティブ要素は1割未満だった。

 観光庁は海外に拠点や代理店などを持つ日本企業の訪日ブリージャーを有望視する。連絡会には展示会参加者のブリージャーに期待する名古屋市らが加わり、MICE主催企業と周辺観光地との連携実態を調べ、促進策を検討する。「自治体の商工部局に比べ観光部局は企業と連携の基盤がない。そこをどうつなげるかが課題」(MICE推進室)

 日本人の国内出張時のブリージャーも議論の対象で、今後、企業の導入状況を調査する。