エアビー、 京都市の宿泊予約一時停止 駐在義務の条例改正に対応

2020.01.20 00:00

必要な要件を満たしていない施設は4月以降の予約対象から除外済み。混乱を回避する

 エアビーアンドビーは1月7日、京都市の一部掲載施設について4月以降の予約受け付けを停止した。簡易宿所営業を行う施設にスタッフの駐在を義務付ける市の条例改正に対応する措置。民泊が日本で制度化されて以降、エアビーは法令順守に取り組んでいる。設備の改修など環境が整い次第、予約を再開する。

 京都市は18年6月の改正旅館業法の施行に合わせて条例を見直し、すべての宿泊施設に人の駐在を義務化した。業法では、規制緩和で簡易宿所のフロント設置は不要となったが、市は施設の内部または外での設置を要件とし、今年3月末までを猶予期間としていた。1室以下の小規模施設の場合、施設外に設置できるようになるが、10分以内に駆けつけられる800m程度以内での設置とスタッフの駐在が求められる。

 エアビーにとって、京都は東京と大阪に次いで掲載施設が多い主要デスティネーションだ。多くが1棟貸し1室以下の簡易宿所営業で改修対象になる。

 公共政策本部の大屋智浩上席渉外担当は、「施設オーナーは駐在者のほかに駆けつけ要員を配置しなければならず、設備改修を含めた初期投資と継続的な投資が必要となる」と課題を示す。必要な改修の把握に戸惑う施設もあり、市と連携を取りながら、昨年8月から説明会や勉強会を実施し、施設と市とのいわば仲介役として状況把握や照会、情報提供に努めてきた。

 具体的な数を公表していないが、エアビーはこうしたコミュニケーションが奏功し、予約停止施設を「当初見通しに比べてかなり少なくすることができている」という。オーナーが自前で対応するのが難しいケースも踏まえ、施設外フロント代行業者とのマッチングも行う考えだ。