JTB予測、20年の訪日旅行者3430万人 五輪効果は限定的
2020.01.13 00:00
JTBは20年の旅行動向見通しで、訪日客を3430万人と推計した。政府が掲げる4000万人達成は難しいとの予測を示した形となる。長期間で全国各地が会場となったラグビー・ワールドカップ(W杯)に対し、東京オリンピック・パラリンピックは東京が主会場で期間が短いことから、爆発的な増加は難しいとした。一方、中国やアジア新興国の需要は底堅く、19年を3180万人と推計したうえで同年比7.9%増で推移すると見通した。
19年は政府が行ったキャンペーンやラグビーW杯の効果で欧米豪は堅調に伸びた。一方、日韓関係の悪化を受けて韓国が1~11月で前年同期比22.3%減と大幅に減少し、香港、台湾も微増。通年で1.9%増にとどまると見通した。
20年は世界景気の減速による懸念があるが、中国やインドのビザ発給要件の緩和のほか、日本路線の増便が好材料。韓国は15%増程度回復すると仮定した。オリンピック効果としては、12年のロンドン大会で期間中の訪問者が4.2%減となったことを踏まえ、東京大会でも観戦者が訪日客の中心で大きな増加は難しいとした。ただし、大会開催の認知拡大で年間で需要を押し上げる可能性もあるとした。
受け入れ環境では、宿泊施設の多様化と民泊の利用拡大を予想する。歴史的な建造物を活用したテーマ性の高い施設の関心が高まっているほか、日本で不足が指摘されるラグジュアリーホテルは5月にザ・リッツカールトン日光、6月にザ・カハラ・ホテル&リゾート横浜など開業計画が相次いでいる。
また、リピーターの増加により地方誘客が一層進むとし、量より質を重視する地域が増え、アドベンチャーツーリズムなど付加価値の高い体験が注目されると見通した。
カテゴリ#インバウンド#新着記事
週刊トラベルジャーナル最新号
アクセスランキング
Ranking
-
<PR>ウェルネス・観光の展示会を開催 5月に東京ビッグサイトで
-
ウポポイが冬の教育旅行開発へ 探究型プログラムで主体的な気づき
-
GWの海外旅行どこまで回復? 「まだ5割」の声多く JTB推計は9割水準
-
大阪万博を商機に 地方への動線をどう描くか
-
免税売上高比率、初の1割超え 百貨店の2月実績 春節効果も
-
旅行業の倒産、2年ぶり増加 23年度 小規模3倍で地方に波及
-
海外旅行意欲、諸外国と乖離 アメックス調査 24年も行き先は国内が主流
-
添乗員平均年齢、10年で10歳上昇 人口も減少止まらず 待遇改善が喫緊の課題
-
ANAが新興企業向けファンド 空飛ぶクルマやNFTなどに投資
-
八重山全域でタッチ決済導入 路線バスや船舶も ANAペイは空から陸・海まで