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国管理空港、免税販売で営業利益3%増 航空系事業は赤字8割

2020年1月13日 12:00 AM

 国土交通省がまとめた国管理空港の18年度収支によると、着陸料収入を主とする航空系事業と免税品販売などの非航空系事業を合わせた営業利益は、前年度比3.2%増の1250億100万円となった。非航空系が4.9%増の898億4000万円となり、航空系の減益(0.9%減の351億6100万円)をカバーした。黒字空港は15と全体の6割を占め、2空港減少した。

 実質的な利益水準を示すEBITDA(利払前・税引前・償却前営業利益)ベース。航空系事業は、国際線の新規就航や増便が相次ぎ、国際線着陸回数が約7000回増の9.8万回となった結果、着陸料収入が増加した。一方で、旅客数で上位の羽田、福岡、那覇の機能拡充にかかる経費がかさみ、利益を圧迫した。黒字は1空港増えて6空港となったが、全体の8割近くが赤字体質の構造は変わっていない。

 非航空系事業は、訪日外国人旅行者の増加を背景に乗降客数が3.2%増の約19万3000人に拡大し、免税品売り上げが増加したことが寄与した。

 空港別では、那覇、大分、美保が赤字に転落した。いずれも着陸料収入は増えたが、空港整備費用が那覇で1.3倍、大分は4倍などとなったことが要因。一方、黒字に転じたのが函館で、着陸料収入は減ったものの、整備が一段落し、経費が大幅に圧縮された。

 利益規模は羽田が997億9700万円で群を抜き、2位新千歳(184億4200万円)、3位福岡(52億6200万円)、4位鹿児島(12億2800万円)、5位小松(9億5000万円)と続く。このうち福岡は67.5%の大幅増益。航空系事業はマイナス幅が拡大したが、非航空系が3割増え下支えした。新千歳は航空系と非航空系がともに増加し、21.1%の増益を確保した。