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首里城火災で沖縄観光の支援加速、情報発信やキャンペーン 魅力減退の影響回避へ

2019年12月16日 12:00 AM

OCVBが制作したロゴ

 正殿などが焼失した首里城の火災を受け、沖縄観光を支援する取り組みが加速している。沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB)は代替観光地の案内のほか、キャンペーンロゴを制作し情報発信を強化。JATA(日本旅行業協会)はツアー収益の一部を支援金に充てるキャンペーンを開始し、12月9日時点で11社が参画した。首里城は国内外から年間280万人が訪れる沖縄の象徴的な観光地だけに、沖縄観光の魅力減退も懸念され、盛り上げ機運が高まっている。

 OCVBやJATAによると、国内・訪日客による沖縄観光のキャンセルなどは確認されていない。だが、大半が修学旅行やパッケージーツアー、MICEなどで首里城を組み込んでいるため、首里城公園での滞在時間の縮小やコース変更で対応している。OCVBは「魅力ある観光地が損なわれたことで、中長期的な観光需要に影響が出ないように沖縄の魅力を伝えていく必要がある」(誘客事業部)とする。

金城町の石畳道(写真提供/OCVB)

 一方、打撃を受けているのは、飲食店や土産店など城周辺の観光事業者だ。OCVBによると、首里地域の観光客が減ったことで売り上げが激減したという声があったという。OCVBは地域に足を運んでもらうため、首里城公園の立ち入り可能区域のほか、琉球王国時代の城下町である金城町石畳道や玉陵など首里地域の魅力を紹介している。

 JATAのキャンペーンは県内に宿泊する募集型企画旅行を対象に収益の一部から旅行会社が供出する流れで、JATAが一括して寄付する。JTBはこうしたキャンペーンの参加に加え、同社が運営するふるさと納税サイトなどでクラウドファンディング型の寄付金を募集しており、12月9日時点で6億8000万円を超えている。