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せとうちDMOがKDDIと包括連携、5Gやビッグデータで観光振興

2019年12月16日 12:00 AM

締結書を交わす瀬戸内ブランドコーポレーションの藤田明久代表(左)とKDDIの松野茂樹経営戦略本部副本部長

 せとうちDMOはKDDIと連携し、次世代通信規格「5G」などの先端技術やビッグデータなどの活用を通じた観光振興に取り組む。

 同DMOで着地面の整備や観光事業者支援を担う瀬戸内ブランドコーポレーションが包括連携協定を結んだ。最新技術の活用で良質なコンテンツづくりやマーケティングを加速させたい考え。一方のKDDIは、観光分野でのビジネスの可能性を試す挑戦と位置付けている。

KDDIの通販サイトに設けられたせとうち物産展

 連携の第1弾として、KDDIの通販サイトに瀬戸内の物産品を掲載する特設ページを開設した。その他の事業は詳細を詰めていくが、両者のリソースを活用し、さまざまな可能性を試していく考えだ。KDDIの持つICT技術やサービスを観光事業者に提供・普及させることでも協力する。位置情報や商圏分析ツールを活用して観光客の動向を把握し、より効果的な観光マーケティングの実現を目指したプロモーションや着地整備を検討する。

 新たな取り組みとして期待されるのが5Gの活用だ。KDDIは仮想現実(VR)や拡張現実(AR)などを推進しており、最先端技術を用いた観光プロモーションの可能性を探る。また、ゆくゆくは5Gを活用したサテライトオフィスなどを設置し、ワーケーションや移住促進といった取り組みも検討する。

 KDDIにとってDMOとの連携は初めてとなる。これまで単発や一部地域で観光支援を行っていたが、「広域かつ包括的な地域への観光支援の最初の取り組みとして、いかに収益化できるか試行錯誤していく」という。

 対するせとうちDMOは、「ICTを活用したビジネス展開や顧客基盤の活用などで、観光事業者の事業拡大や観光客の満足度向上の施策をさらに推進できる」と期待を寄せている。