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ラグビーW杯で欧米豪誘客に手応え、自治体がプロモーション強化

2019年12月2日 12:00 AM

大阪観光局のアンケートに答えるラグビーファン。多くの地域がアンケートなどで動向やニーズを探った

 ラグビー・ワールドカップ(W杯)の開催地となった自治体が欧米豪市場の誘致を活発化させている。

 W杯は9月20日~11月2日に12都市で開催され、これまで欧米豪の観光客が多くなかった地域にも足を運んだ。自治体は向上した認知度や期間中につかんだ旅行動向を生かし、プロモーションやコンテンツづくりの施策を強化している。

 9~10月の訪日客数を見ると、英国が前年同期比85.1%増の11万8000人となったほか、フランスが21.2%増の6万6000人と出場国の伸びが顕著。豪州は16.7%増の11万2100人、米国も12.9%増の28万600人となった。京都市は試合会場ではなかったものの、9月のホテル宿泊数で英国が79.2%増加したほか、フランスが40.6%増、米国が27.3%増となり、W杯効果が広い範囲に及んでいることを裏付けた。

 大阪観光局が期間中の訪日客150人に行ったアンケート調査では、69%が初訪日で、ラグビー観戦目的の訪日が77%を占めた。64%が滞在14泊以上と回答しており、「消費効果や集客力の高さを感じた」(経営企画室)。

 東アジア中心のプロモーションから欧米豪市場に目を向け始めたのが大分県だ。「観光事業者が欧米豪市場の誘致に手応えを感じ、取り込みの機運が高まっている」(観光誘致促進室)。今後は民間と連携を取り、海外商談会への出展などを進める。九州観光推進機構は継続的な誘客につなげていく狙いで、せとうちDMOと連携し、英国旅行会社向けの広域観光ツアーを11月30日~12月7日に実施する。

 大阪観光局は、「W杯に際してはラグビー関連のプロモーションが主だったが、相撲観戦やマラソンイベント出場など、多様に楽しみたいというニーズがあった。幅広い情報を発信できる体制を強化していく」としている。