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20代女性旅の新潮流「To Goストック」って? デジタルが移動増を促進

2019年11月25日 12:00 AM

 SNSの投稿は「いいね」の対象からリアルな外出を促す重要な情報源に――。ジェイアール東日本企画のムーブ・デザイン・ラボ(MDL)の調査でこんな潮流が浮かび上がった。移動に関する実態を調べたところ、移動回数が急増している20代女性において、SNSで得た情報を行きたい場所として蓄積し、後に引き出して行動に移す傾向が顕著だった。同社は移動の喚起にデジタルが深く関与しているとみている。

 1カ月当たりの移動回数は、全世代平均が前回調査の17年比で0.3回減だったのに対し、20代女性は7.4回増えた。情報収集は、インスタグラムやツイッターから行きたい場所や店をブックマークやメモで記録する人が35.7%を占め、全体平均を17.2ポイント上回る。

 MDLはこうした行動特性を「To Go ストック(行くべき場所のストック)」と名付けた。彦谷牧子シニア・ストラテジック・プランナーは、「SNSが普及し切った2年前から情報の蓄積が進み、実際に行動する段階に入ってきた」と分析する。 20代女性がTo Goストックをしている割合は47.8%に上り、SNSと外出の両方に積極的な層は13.3ポイント増え、39.1%となった。

 デジタルの普及と進化はリアルの旅行の阻害要因になる懸念もある。だが、プランニング第一部の中里栄悠部長代理は「これからはデジタルがむしろきっかけになる」と指摘する。事業者はこれまで情報をシェアしてもらうことに重きを置いてきたが、今後はいかにストックされるかが戦略上の重要な視点といい、「質の高い画像や詳細なコンテンツなど、情報はリッチであるほどいい」と助言する。

 30代女性にも同様の兆候が見られ、同社は他世代に波及する可能性を指摘している。