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中央アジアの観光で官民協力、5カ国周遊ビザなど提案

2019年10月7日 1:00 AM

ウズベキスタンのナボイ劇場など文化遺産も少なくない(写真提供/外務省中央アジア・コーカサス室 )

 政府は中央アジア諸国の観光客誘致に向けた支援を強化している。協力の枠組みなどを話し合う「中央アジア+日本対話」の5月会合で、実践的協力の分野として従来の運輸・物流・農業に新たに観光が追加されたことを受けた動き。日本人が5カ国を巡れる周遊ビザ「シルクロードビザ」の導入を提案しているほか、受け入れ体制の整備やノウハウ面での連携強化を決めた。JATA(日本旅行業協会)などとも連携し、施策を講じていく。

  対象はタジキスタン、カザフスタン、キルギス、ウズベキスタン、トルクメニスタンの5カ国。日本の旅行会社が16年にウズベキスタンへの共同チャーターを実施して以降、毎年運航するなど交流が活発化しているが、「現状はウズベキスタンのみを巡る旅行商品が多く、2次交通や観光コンテンツの整備をしていく必要がある」(JATA海外旅行推進部)など、課題も多い。

 まずは観光庁がインバウンド誘致政策に関する知見を共有し、受け入れ基盤構築を支援する。シルクロードビザについては「実現するかは中央アジア各国の今後の検討次第だが、日本人旅行者の増加にも期待できる」(外務省中央アジア・コーカサス室)とし、実現に向けた取り組みを進めていく。

 政府の動きと連動し、JATAアウトバウンド促進協議会(JOTC)は、これまで担当部会が定まっていなかった中央アジア地域を9月から中東・アフリカ部会が担うことに決めた。旅行会社の周遊ツアー造成などを支援していくほか、各国の実務者と意見交換を積極的に行いたい考えで、機会を探る。JATAは「シルクロード遺産など日本人に興味が高い素材も多く、官民で協力していきたい」(海外旅行推進部)としている