虚偽の口コミ139万件、トリアドが初調査 3.5万施設にペナルティー

2019.09.30 01:00

 

 トリップアドバイザーは初めて口コミの透明性に関する調査を行い、18年に全世界で投稿された6600万件のうち、2.1%の138万6000件が虚偽の口コミだったと発表した。高度な不正検出技術を利用して分析した後、人手を介して不正行為の検出を行っており、掲載前に約100万件を虚偽とみなし削除した。全体に占める割合は小さいが、実数では決して少なくない規模だ。

 虚偽の口コミとは、ホテルや観光施設の平均評価や旅行者のランキングを不当に操作しようとする当該施設スタッフや競合施設などによる投稿を指す。多いのは競合施設の不正行為だ。そのなかで自社への偏ったポジティブな口コミが91%と大部分を占める。他社への偏ったネガティブな口コミ(6%)や金銭授受を伴う口コミ(3%)もある。

 トリップアドバイザーの場合、投稿されたすべての口コミを分析システムで解析する。不適切表現などガイドラインに準拠していないものや不正の疑いがあれば、自動的に検出される。18年は270万件が検出され、審査専門スタッフの検閲を経て、ガイドラインに準拠していないものも含めると全投稿の3.4%が掲載前に削除された。掲載後に削除した投稿も1.3%あった。

 同社は取り締まりに力を入れている。不正行為を繰り返す個人には投稿を禁止し、事業者には人気ランキングの順位を一定期間引き下げる。18年には3万4643施設の事業者に罰則を課した。虚偽の口コミを直接投稿した以外に、第三者に依頼した場合も含まれている。

 不正行為者は戦略を変え攻防は続くとし、同社は予測しながら手を打つ方針。ただ、「積極的な措置を講じない限り、不正行為者は中小企業を標的にする」などとし、他のプラットフォームにも対策を呼びかけてる。