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城に宿泊の動き活発化、平戸城は通年開放 欧米富裕層に訴求

2019年9月23日 1:00 AM

平戸城(写真提供/平戸市)

 城での宿泊体験を提供する「城泊」の取り組みが活発化している。

 長崎県平戸市は、20年夏から平戸城を常設の宿泊施設として提供できるよう整備を進める。愛媛県大洲市は、春から大洲城の宿泊を組み込んだ城主体験プランを提供する。城泊は欧米富裕層に訴求できる良質なコンテンツとして政府が活用を促しており、管理する自治体では新たな収益源の確保策として期待が高まっている。

 平戸城は大規模改修に合わせ、やぐらの1つを宿泊施設にする。百戦錬磨グループと日本航空(JL)、アトリエ・天工人による共同企業体が設計から運営まで受託。百戦錬磨が全体プロデュースや運営を行い、JLは支店や路線ネットワークの活用、同社などでのプロモーションを担当する。1日2~5人が泊まれるようにする。

 これに先駆け、平戸市は17年5月、城泊の可能性を探るため、1組2人を対象に天守閣1泊ツアーを実施。大名御膳やクルーズなどを交えた豪華プランで、欧州客を中心に7500組が応募する人気ぶりだった。「城下町に足を運んでもらえる利点もあり、大きな可能性を感じた」(市観光課)ことから、宿泊施設の常設に踏み切ることとした。

大洲城(写真提供/バリューマネジメント)

 文化庁が推進するリビングヒストリー(生きた歴史体感プログラム)に合致した動きとして活用するのが、大洲市だ。甲冑を着て入城するなど再現性の高い体験を来年4月から提供する。一般開放していない17時から翌9時まで滞在できるプランとし、施設改修は行わない。市は「空白時間を活用することで収益の確保につながる」(観光まちづくり課)と期待を寄せる。

 観光庁は優良事例の創出・共有の支援をすることで、城泊を増やしていきたい考えだ。