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IR誘致、横浜の表明受け事業者の動き活発化

2019年9月9日 1:00 AM

 横浜市が統合型リゾート(IR)の誘致を正式に表明したのを受け、カジノの運営権獲得を狙う外資系企業の競争が新たな局面を迎えている。香港のメルコリゾーツ&エンターテインメント・リミテッドは数カ月以内に横浜のみなとみらい地区に事務所を開設する予定。ラスベガス・サンズは大阪府・市が夢洲で計画するIR への応札を見送り、横浜を含む首都圏での開発に注力することを決めた。

 横浜市は、利便性の高い交通アクセスやウオーターフロントの景観を生かした都市型リゾートを目指す。山下ふ頭が立地場所候補として挙がっている。昨年7月のIR整備法の成立以降、調査や研究を行ってきたが、正式な誘致表明はせず慎重姿勢を崩していなかった。

 メルコはライセンス取得に向けた準備を本格化させる。7月末に横浜F・マリ
ノスと長期パートナーシップ契約を発表し、横浜のスポーツ振興へも貢献する意向を示している。ただし、先に事務所を開設した大阪も候補地から外していない。

  一方、25年国際博覧会(万博)の誘致委員会オフィシャルパートナーとして大阪への万博誘致にも貢献し、夢洲でのIR 形成に参画する意向を示していたサンズは、方向転換した格好だ。同社はシンガポールで初めてとなるカジノライセンスを取得し、マリーナベイ・サンズを開発した実績があり、首都圏の競争は熱を帯びそうだ。

 日本市場から撤退の動きを見せたのは、米大手シーザーズ・エンターテインメント。横浜、東京、大阪、北海道苫小牧での IR開発を目指し、17年3月に日本法人を設立。横浜への思いは強く、昨年に整備構想案を公表していた。今後は米国を中心とする事業に経営資源を集中する。