アジア客が空港の成長を左右 18年に伸びたのは成田と新千歳

2019.09.01 08:00

 法務省の18年港別・国籍別出入国管理統計がまとまり、旅客数上位の7空港はすべて日本人出国者と外国人入国者がともに年を上回った。新千歳と成田が外国人入国者で全国平均を上回る10%以上の伸びを示し、特に成田は主力市場で軒並み旅客数が増え、安定した成長を印象づけた。

 外国人入国者数で最多は成田の856万3006人で、関西、羽田、福岡、那覇、新千歳、中部と続いた。順位に変動はないが、増加率で見た場合、トップは新千歳の13.5%増。香港からの旅客が減少した一方、主力の韓国(12.5%増)と中国(28.4%増)が他空港を上回って伸び、台湾も減少する空港があるなかでプラスを維持した。

 市場別では、中国のほか、成長市場の米国、欧州、豪州が全7空港で前年を上回った。これに対し、東アジアは香港が4空港(新千歳・中部・関西・那覇)、台湾が3空港(羽田、中部、関西)で減少した。空港側にとっては、ボリュームの大きい主要市場の動向が全体の伸びを左右した格好で、いずれもプラスとなった成田が12.1%増の2桁成長を確保した。一方、関西と中部は台湾と香港が前年を割り込み、7空港中で最も低い6.8%増にとどまった。

 香港は増加した空港の中でも福岡への入国者が26.7%の大幅増となり、関西、成田に次ぐ第3の空の玄関口に浮上した。台湾は成田を除く国際拠点への入国が軒並み減る一方で、那覇と福岡が10%以上伸び、新千歳も4.9%増となるなど、地方が好調だった。

 インバウンドとアウトバウンドのバランスを見ると、羽田と中部と除き、外国人入国者が日本人出国者を上回っている。特に新千歳と那覇は10倍もの開きがあり、訪日市場が空港経営を支える状況が顕著だ。

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