羽田国際線3.9万回増へ、米国線増強で成田に迫る
2019.08.30 08:00
国土交通省は羽田空港を離発着する航空機の新飛行ルートの運用を決めた。20年3月29日から開始し、昼間の発着回数を年間約3.9万回増やして約9.9万回に拡大する。東京五輪・パラリンピック開催に間に合わせる形で、訪日客の受け入れ拡大に向けて首都圏空港の機能を増強する。増枠の約半数を配分する米国路線を中心に利便性がいっそう高まるが、一部の航空会社が成田からの路線移管を表明しており、成田への影響は避けられない見通しだ。
1日当たりに換算すると50便(往復)増える。日本と相手国の航空会社に25便ずつ割り当て、方面別では、半数近い24便を米国路線に充てることがすでに決定している。その他路線は、10月初頭までに決まる見込み。
とりわけ増強される米国路線は、米運輸省が8月9日、デルタ航空(DL)が申請していた5路線、ユナイテッド航空(UA)の4路線、アメリカン航空(AA)の2路線、ハワイアン航空(HA)の1路線を最終承認した。これに伴い、DLは東京/米国間の全便を羽田に集約し、成田からの撤退を表明。UAは成田線を継続するものの、現行の9路線のうちシカゴ線とワシントン線を羽田に移す。
8月時点で羽田の米国線は成田の4分の1にとどまる。だが、増枠と路線移管により、20年夏ダイヤでは拮抗する見通しだ。
10年の羽田の再国際化と14年の昼間時間帯増枠では、成田便が減少し、影響を直に受けた。しかしその後、成田国際空港会社(NAA)は訪日客増の追い風の中でローコストキャリア(LCC)への対応強化や新興航空会社の誘致を進め、すぐさまプラスに戻している。NAAは今回の対策として、アジア第2都市の強化などに注力する考えを示している。
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