JR東日本が旅行販売をウェブに特化、22年春までにびゅうプラザ全店閉鎖へ

2019.07.22 08:00

 東日本旅客鉄道(JR東日本)は旅行商品の店頭販売を全面的に取りやめ、ウェブ販売に特化する。

 22年3月までに56店舗あるびゅうプラザを順次閉鎖する方針。紙のパンフレットも廃止し、インターネット上で列車と宿泊を自由に組み合わせられる料金変動型の「ダイナミックレールパック」などの販売を強化する。

 営業部の髙橋弘行部長は「インターネットと親和性の高い商品の拡大に注力する」との方針を示す。OTA(オンライン旅行会社)の台頭や需要の多様化で店頭売り上げが低迷していることなどを受け、同社は近年、ウェブ販売の拡大に力を注いできた。ネット特化型商品としてダイナミックレールパックを開発。15年12月に首都圏・東北などで販売を開始し、函館や北陸に対象範囲を広げている。

 販売チャネルの多角化も推進しており、17年11月に比較サイトのトラベルコでびゅう商品の販売を開始し、18年9月にはダイナミックレールパックの掲載も始めた。現在では LINEトラベルjpとも連携している。こうしたウェブに対する施策が功を奏し、オンライン販売比率は年々上昇しているという。

 びゅうプラザは JR東日本もしくは子会社のびゅうトラベルサービスが運営し、自社商品のほか、他社商品の受託販売を行い、顧客とリアルな接点を持つ能を担ってきた。

 店舗はびゅう商品の販売は取りやめるが、半数程度を名称変更して残し、訪日客の観光案内やシニア向け会員組織「大人の休日倶楽部」をサポートする機能を担わせる。

 髙橋部長は、「シニアを中心にリアルでの接点を求める需要は一定程度ある。使い勝手の良いサイトづくりや販売サポート体制を構築し、滞りなく移行していく」としている。