日系企業で初、クラフトがNDCプロバイダー認証取得

2019.07.15 17:24

日系のソフトウェア開発企業としていち早くNDCに対応したクラフトの最勝寺代表取締役(右)と古戸取締役

 ソフトウェア開発のクラフトは6月末、IATA(国際航空運送協会)が推進する新流通規格(NDC)に準拠した技術提供を行うITプロバイダーの認証を取得した。7月4日までにITプロバイダーには51社が認証されているが、日系企業は初めて。旅行会社がNDCベースの航空運賃や付帯サービスを販売できる機能を開発し、今秋をめどに提供を開始する。

 同社は国際航空券の販売に不可欠な全6GDSと連携し、各社ごとに異なるインターフェースを一元化した旅行会社に提供する共通インターフェース「XMLジェネレーター」を手掛ける。旅行会社はGDSと個別に連携する必要がなく費用を抑制できるため、主要旅行会社をユーザーに抱える。認証取得の背景について、古戸匡取締役は、「旅行会社からNDCへの対応を求める声が多かった」と語る。IATAがNDC開発に着手した当初から動向に着目し、技術基盤を整えてきたが、「日本で急に波が押し寄せて来た」ことも後押しとなった。

 認証は、旅行会社からの照会と該当するプロダクト表示、予約が可能なレベル3。XMLジェネレーターにNDC対応機能を備え、航空会社と順次接続する

 NDCは、航空会社が公式サイトと同様の運賃や付帯サービスを第三者に販売できる流通規格。一般的なGDSでの販売に比べ汎用性が高く購買単価の拡大につながるとして、日本でも体制を整備する航空会社が増えつつある。ただ、旅行会社が航空会社とシステム接続するには費用負担が大きく、仲介役に期待が寄せられている。

 クラフトはXMLジェネレーター利用者にオプションとして提供するほか、「非ユーザーにも提案し、新規顧客を開拓したい」(最勝寺武史代表取締役)として市場拡大を図る。

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