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環境整備やコンテンツ開発に注力、19年行動指針 地域とJNTOの連携も

2019年7月1日 11:38 PM

 政府は「観光ビジョン実現プログラム2019」をまとめ、環境整備やコンテンツ開発の加速を柱に据えた。DMOを中心とする観光地経営の充実を目指し、日本政府観光局(JNTO)と地域の連携強化も盛り込まれた。目標に掲げる訪日客4000万人の節目の年を来年に控え、勝負の年と位置づけた。

 多言語、Wi-Fi、キャッシュレス対応を「当たり前の環境整備」と表現。「環境整備はかなり進んでいるが、オプションという位置づけでなく徹底して整備を進める姿勢で臨む」(観光庁観光戦略課)。

 環境整備を一体的に進めるモデル地域を選び、今年度に50地域、21年度までに100地域を支援する。公共交機関も今年度中に100線区、21年度までに300線区で改善を図る。新幹線の無料Wi-Fiについては年度内に全車両での整備を目指し、MaaS(マース)では訪日客が利用しやすいよう多言語対応や定額サービスの導入も促す。

 観光コンテンツの充実では、「日本博」を全国各地で展開するほか、歴史的な出来事などを再現するリビングヒストリーを開発する。皇居東御苑や新宿御苑などの開園時間延長やイベント開催など、公的施設の開放も積極的に行う。

 農泊、ナイトタイムエコノミーのほか、既存のコンテンツに仮想現実(VR)など最新技術を組み合わせて提供する取り組みも進める。

 世界水準の DMOのあり方検討会のとりまとめも反映した。自治体やDMOが着地面の整備を担い、JNTOがプロモーションに一元的に取り組むとの役割分担を明記。地域側に周知を図るとともに、JNTOの体制も見直す。アウトバウンド関連施策では、若者の海外体験促進のため、関係業界が連携した応援プログラムの策定を行うこととした。