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中国人のオーダーメード旅行急伸、今後3年で3倍成長予測

2019年7月1日 6:20 PM

 中国人海外旅行市場で富裕層によるオーダーメード旅行が急速な伸びを示している。最大手OTA(オンライン旅行会社)のシートリップが中国出境遊研究所(COTRI)と共同でまとめた報告書によると、同社が運営するオーダーメード旅行プラットフォームの18年の予約数は前年比180%増となった。平均支出は1人当たり2万3800人民元(約37万円)で、標準的なパッケージツアーの5500人民元(約8万6000円)の4倍。海外旅行市場の成長率11%に対し、オーダーメード旅行は今後3年間で200%伸びると予測した。

 予約増加率の上位10都市は上海、北京、広州、深セン、杭州、成都、香港、南京、西安、天津。このうち北京、上海、広州は3桁成長を示した。年代別では、31~40歳が24%と最多で、次いで41~50歳が19%を占める。同伴者はファミリーが45%と約半数に上った。

 人気旅行先の1位はタイで、2位日本、3位インドネシアとアジアが優勢だが、モルディブ、米国、フランス、アラブ首長国連邦(UAE)など多様化している。
 中国人富裕層は人口167万人で、健康分野への欲求や関心が最も高く、旅行は主要な余暇活動になっている。ニッチなデスティネーションを好み、旅行中にプライバシーが確保された自分たちだけの独占的な空間やサービスを求め、合理的なのが特徴だ。

 訪日旅行の要望では、火山を巡るヘリコプターツアーやアジアのトップ50レストランでの懐石料理などが挙がった。一方、専門学校での寿司作りや大阪たこ焼きミュージアムへの訪問などの手配例もあり、嗜好に変化が見られる。報告書では、この理由として、ローカル料理や伝統料理の調理方法、背景にあるストーリーへの学び意欲が高まっていると指摘している。