消費税免税店が初の5万店突破 、地方1.9万店 目標に一歩届かず

2019.06.17 17:00

 観光庁がまとめた4月時点の免税店数は前年比12.4%増の5万198店となった。3大都市圏を除く地方部も11.2%増の1万9041店と伸びたが、政府が18年までの目標に掲げていた2万店には届かなかった。

 観光庁は地方部について「まずは2万店突破を目指す」(観光戦略課)とし、全国の商工会議所を通じた周知策などに取り組む。

 14年10月に免税対象を消耗品に広げた効果で店数が急増した15~16年と比べ、近年の伸び率は17年15.1%、18年10.2%と鈍化傾向にあったが、19年は前年から2.2ポイント拡大した。内訳は3大都市圏が0.4ポイント増の62.1%、地方部が0.4ポイント減の37.9%。

 政府は18年7月にも一般物品と消耗品の合算を認めるなど、ほぼ毎年制度を改正し、利便性の向上を図ってきた。20年の東京オリンピック・パラリンピック開催に向け、今年7月に地域の祭りやイベントへの出店を可能とするほか、20年4月には免税販売手続きの電子化を行う。

 地方の免税店は目標に届かなかったものの、着実に広がりを見せている。統計を開始した12年時点では13県が1~9店にとどまり、制度がほとんど周知されていない状況だったが、現在は島根(84店)、福井(85店)、徳島(95店)を除き3~4桁台に増加した。

 これについて、観光庁は「地方の商店街の観光需要の獲得に寄与できた」(観光戦略課)と評価。特に地方では訪日需要の拡大を受けて免税制度の関心が高まっており、「免税店でなければ消費者獲得に不利になり、免税店登録が必要不可欠となる地域もある」と話す。

 また、店側から「手続きを簡易化してほしい」などの声もあり、観光庁は「制度の拡充を引き続き行っていく」としている。

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