2019年6月17日 1:58 PM
クルーズ旅行の需要獲得をめぐり、旅行会社の動きが活発化している。阪急交通社が販売の専門拠点を開設し、エイチ・アイ・エス(HIS)は大型チャーターなど商品を増強する。日本人のクルーズ人口は17年度に過去最高の31万5000人を記録し、今後も拡大が見込める成長分野。販売手数料が新たな収益源となるほか、店頭のコンサルティング力を生かせる領域として期待をかける。
阪急交通社は5月15日、大阪に次ぐ2カ所目のクルーズサロンを都内に開設した。全国25支店でツアーの企画や販売を行うが、より高いスキルが求められる案件にサロンが対応し、底上げを図る。「顧客の知識レベルが上がり、対応力が求められている」(松田誠司代表取締役社長)。18年度から20億円増ペースで上積みし、20年度140億円を目指す。
HISはクルーズプラネットとベストワンドットコムの3社合同で20年ゴールデンウイークにMSCベリッシマをチャーターする。系列企業以外と組むのは初めて。目標の4000人をクルーズ専売の2社と売り切る。同社は昨年からクルーズに本腰を入れ、19年は売上高と送客数で50~60%増を目標に掲げる。「航空座席が取りづらい桜の時期など繁忙期に積極的に商品を投入したい」(中森達也取締役専務執行役員)。子会社のクルーズプラネットは今後の外国船の日本発着コース増も見据え、日本発着ツアーセンターを拡張。情報を集約し、専任スタッフが相談に当たる。
ただ、課題は予約の早期化だ。日本市場は予約が遅く、客室確保の厳しさが増している。ベストワンは「供給を増やすためにもチャーターが必要」(澤田秀太代表取締役社長)との考え。阪急は商品投入時期を昨年より4カ月早めて対応する。
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