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チケッツが訪日市場に本格参入 、欧州の観光施設予約サイト 年内100施設目標

2019年6月10日 4:06 PM

チケッツの戦略を語る荒木代表

 欧州を中心に観光・文化施設の予約サイトを展開するチケッツインターナショナルは、訪日客向けに施設の販売を本格的に開始した。シームレスでペーパーレスな購入・予約の対応に加え、施設に最適な販売方法やプロモーションを提案できるマーケティング力が強み。大手ホテルチェーンやOTA(オンライン旅行会社)と提携するなど販路の面でも足場固めを進めており、拡大する訪日需要の取り込みを目指す。

 オランダに本社を置くチケッツは14年に創業し、18年の取扱人数は約400万人。41カ国・2000以上の施設を掲載し、9言語に対応している。昨年9月に東京・大阪に営業拠点を設け、日本進出の準備を進めてきた。現在は関東と関西の約50施設を扱っている。

 日本支店代表に就任したベルトラ創業者の荒木篤実氏は同社の強みについて、サイトと施設の連携を容易にするAPI接続を同業他社に先駆けて進めたほか、「即日予約に対応するなどユーザーに寄り添った方針が欧州旅行者の支持を得た」と評価する。バチカン美術館、ガウディ建築で有名なカサ・バトリョなど、欧州の人気施設とパートナーシップを結んでおり、「施設側が特に需要を喚起したいコンテンツやユーザーのニーズに応じ、独自プランの企画提案なども行っている」(荒木代表)という。

 マリオットやヒルトンと提携しているほか、グーグルの予約サービスやベルトラなどともサイト連携を行っており、多様な顧客にプロモーションできることも強みとして、国内で提携施設の開拓を進める。年内に100以上に増やす目標を掲げている。来日したルーク・エルジンガCEOは「20年の東京五輪に向け、施設側と旅行者双方の課題を解決していく」と語った。

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