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ANAグループやナビタイム、自治体の外客誘致支援で3者連携

2019年6月3日 7:01 PM

 ANAグループとナビタイム、エクスペディアの3者は連携し、訪日客の地方誘致に向けた包括的な旅行サービスの提供に乗り出した。航空券とホテル、現地体験プランを組み合わせた旅行商品を造成し、ナビゲーション機能を連動させる。海外での販売促進も行い、自治体に一気通貫型の誘客支援パッケージを提供する。ANA総合研究所が中心となり、昨年10月末に発足した地域創生インバウンド協議会の加盟企業による大型提携の第1弾。

 ANA総研が地域に密着して観光資源を開発し、ANAセールスが商品化する。ナビタイムは日本国内の旅行計画作成と2地点間多言語音声ナビゲーションの機能を合わせて提供し、国内で初めて全行程で音声案内に基づく旅行ができるようにした。体験プランの開発に当たっては、ナビタイムのGPS動向データやANAグループの航空・旅行動向データを活用する。エクスペディアは世界的な顧客基盤を生かし、旅行商品の開発に助言するほか、海外での販売を担いユーザーにアプローチする。

 欧米豪のFITがターゲット。首都圏に長期滞在し、他の地域に移動予定のない外国人に短期間の地域旅行を促す。国内航空券を自己手配する人には体験プラン単品の提供も想定している。

 協議会は、自治体の訪日客誘致がプロモーション中心で実績につながっていないとの課題認識を持つ。具体的な成果を上げることを目的に一気通貫型の支援に重点を置き、加盟各社の得意な機能やノウハウを掛け合わせることで単独では困難な総合的なサービスの提供が可能と見ている。

 3者連携サービスにはすでに観光関係者から多数の引き合いがあるという。今後、事業を受託した地域で観光ルート開発の検討も進める。