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日商が新たな課題対応へ提言、MaaS推進やブリージャー

2019年5月27日 6:15 PM

 日本商工会議所は観光をめぐる課題への対応策として、訪日客の分散化、ニーズの変化への対応、観光産業の競争力向上を柱とする提言をまとめた。訪日4000万人時代が視野に入るなど、日本がこれまで経験したことのない市場規模となり、受け入れの適切なあり方が問われる段階に入ったと認識。MaaS(Mobility as a Service)の活用や新たな旅行者用交通手段の導入、人材確保に向けた規制緩和などを盛り込み、4月下旬、石井啓一国土交通相に手渡した。

 MaaSの推進は、旅行者の分散に向けた地域公共交通の利便性向上策のひとつ。現状の交通サービスは旅行者利便に配慮していないとして、MaaSを国や都道府県単位で検討し、実装することが必要とした。一方、人気観光地では、公共交通機関の外国人利用者の増加が渋滞や混雑を引き起こし、住民生活に支障が出ている。一案として、欧米のホップオン・ホップオフ・バスなど、乗降自由な交通手段が有効とした。

 コンテンツ開発では、4月の文化財保護法改正を契機に自治体の観光振興につながる活用に期待を示した。すでに長野県松本市では、商工会議所を含めた官民連携で活用支援や観光ルート開発を進めているという。また昨今、出張を利用して観光を楽しむブリージャー(bleasure)が増えるなど、新たな旅行形態が生まれている。関係省庁が連携して観光サービスの提供や情報発信を行うことが重要とした。

 産業の競争力向上では、外国人人材の受け入れに向け、JETプログラム参加者や留学生への就職先や住居あっせんの支援強化を求めた。人手不足や高齢化が深刻化するバス・タクシー業界への対応では、高校新卒者の就業免許規制の緩和を挙げた。