パーパスジャパンがインバウンド参入、地方に別荘型簡易宿所

2019.05.20 17:57

越後湯沢駅前に開業する「越後湯沢・蔵」の完成予想図。土地と建物で計1980万円から販売する

 目的重視の海外個人旅行を手掛けるパーパスジャパンは、地方都市に別荘型の簡易宿所を建設し、訪日客の宿泊需要を呼び込むインバウンドビジネスに乗り出した。第1弾として7月、新潟県に「越後湯沢・蔵」を開業する。不動産事業を展開する関連会社と自社の旅行業のノウハウを掛け合わせて新たな事業領域を生み出し、経営基盤の安定を図る。

 事業ブランド名は「パーパスリゾート」。稼ぐ収益型別荘をうたう。土地・建物を購入するオーナーはいつでも利用できるほか、未使用期間は一般旅行者に開放し、宿泊料で収益を上げる仕組み。関連会社のマイプラン・エス・ティ・コーポレーションが物件を管理し、パーパスジャパンが宿泊予約から精算まで一括して行う。越後湯沢・蔵は1人1泊3800円で販売予定で、主に4人利用のファミリー層を想定している。パーパスが提携を進める海外の旅行会社や大手OTA(オンライン旅行会社)を通じて集客する。

 民泊の全国解禁に伴う需要の高まりをにらみ、準備してきた。別荘はオーナーとって利用機会が少ない一方で維持・管理にコストや労力がかかるなど課題があり、解決につなげる。酒井修一代表取締役は「旅行業で集客して稼働率を上げ、売り切る仕組みとしたのが鍵」と語る。

 20年春をめどに鎌倉にも開業予定で、河口湖や金沢、奈良、沖縄など、5年以内に10カ所を計画する。これらの物件を組み合わせた地方での滞在を訪日客に提案し、自治体との協力の下、独自の体験プランの開発にも取り組む。

 4月上旬の説明会には、不動産投資家やリタイア層が集まり、関心の高さがうかがえた。旅行業関係者のオーナー参画も検討している。