2019年5月13日 6:24 PM
観光庁は有識者でつくる「世界水準のDMOのあり方に関する検討会」の中間とりまとめを行い、DMO全体の底上げに向け、目的や役割を明確にする必要性を指摘した。
国や日本政府観光局(JNTO)、対象地域が同一の各層DMO、自治体で重複する取り組みがあることを問題視。業務内容を精査し選択と集中を行うため、国に
役割分担を促すよう求めた。人材や財源など組織運営での課題も山積しており、方策も示した。
DMOは役割分担に基づき、着地面の整備に最優先に取り組むべきとした。地域資源の磨き上げのほか、2次交通整備、多言語対応などを挙げた。
特に各地で深刻化しているオーバーツーリズム対策のほか、持続可能な観光地域づくり、閑散期対策といった観点にも留意すべきと言及した。対外的なプロモーションに関しては、DMOが写真・動画など素材を提供したうえで、JNTOが一元的に行うことを推奨している。
財源については、一般財源よりも宿泊税などの特定財源が望ましいとし、安定的な収入構造を求めた。人材面では、出向職員を中心とした体制から脱却し、プロパー職員の確保・育成を図り、即戦力となる外部人材の活用と両面で強化する重要性を指摘している。
今後、これらの方向性をまとめたガイドラインを策定し、DMOに周知する予定で、観光庁は「地域や組織によって事情が異なるが、共通した課題解決につなげる」(DMO支援室)としている。
政府目標で20年に100組織の形成を掲げる世界水準DMOに関しては、今年度から詳細な制度設計を検討するとの表現にとどまった。第三者による選定や定量的な基準でなく柔軟な選定との方向性は決まったが、現状の課題の多さから着手に至っていない。
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