2019年4月8日 5:30 PM
国土交通省は、MaaS(マース)などのあり方を検討する都市と地方の新たなモビリティサービス懇談会の中間とりまとめを行い、MaaS事業者は旅行業法適用の有無に留意する必要があるとの見解を示した。
MaaSは複数の交通サービスを統合し、1つの移動サービスとして提供する欧州発祥の新構想。政府は日本での普及を目指しており、現状の課題や支援すべき取り組み、法制度のあり方について議論していた。
国交省によると、提供主体は、交通事業者、交通機関の検索サービスを提供する事業者などが想定される。ウェブやアプリで一括して検索から決済まで行えるサービスを提供し、交通事業者や利用者から手数料を徴収する枠組みを取る場合は、「提供事業者には原則として旅行業法が適用される」(交通計画課)。
ただし、MaaS事業者のサイトなどに交通事業者のサイトへのリンクを設けたり、API連携で交通事業者と利用者が直接取引するケースには当てはまらないとした。今年度中にも、今後の制度のあり方の検討に着手する。
すでに地方の観光地では民間企業がMaaSを提供する動きが出てきている。とりまとめでは、MaaSにより訪日客に情報案内が行いやすくなると言及。また、周遊パスが提供されている点から、定額制の提供が望ましいと指摘した。
手荷物、宿泊サービス、観光施設の利用も一括して予約・決済できるよう取り組むべきとの認識も示した。また、MaaSを提供するうえでは、出発地から観光客と接点を持つ旅行事業者や、観光地経営に一元的に取り組むDMOが重要と強調。一方、各交通事業者が枠組みに加わる際、共通データが必要なことから、国交省は基盤の整備を支援する。年度内にオープン化すべきデータを明示する。
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