HIS、指定管理ビジネスに参入 福井県陶芸村を運営 専門部署設置

2019.04.08 17:35

 エイチ・ アイ・ エス(HIS)は、福井県が保有する越前陶芸村内の3施設の指定管理事業を受託し、4月1日から管理運営を始めた。ハウステンボスで培った運営ノウハウや旅行会社ならではの企画力・集客力を生かす。

 これを機にパブリックビジネス推進室を創設し、指定管理ビジネスの拡大を狙う。国・自治体保有の施設運営をめぐっては、昨年3月に近畿日本ツーリスト関西が姫路城の運営を受託するなど旅行会社が集客力を武器に商機を見いだす動きが活発化しつつある。

 これまで陶芸館と越前陶芸公園は、指定管理事業を手掛ける民間のアクティオが運営し、17年10月に開業した越前古窯博物館は県が運営してきた。

 アクティオとの契約が今年3月に終了するのに伴い、3施設合わせて運営する事業者を公募していた。HISはイベントの企画・実施、維持管理、利用料金徴収等を担う。

 期間は24年3月までの5年間。陶芸村の来場者は1995年の約35万 人をピークに減少傾向で、17年は約20万人。県は20年30万人を目標としており、HISへの運営委託で陶芸村の中核を担う3施設の集客力を強化する狙い。県はハウステンボスでの実績を高く評価しており、「アプローチできていなかった県外客や訪日客の誘致に期待したい」(地域産業・技術振興課)と話す。

 HISは社員数人を常駐させ、集客効果が高いイベントを打ち出していく計画。手始めに4月13~14日のしだれ桜まつりに合わせ、ランタンイベントと桜のライトアップなどを実施する。日帰り圏内の関西と中部からのツアーも造成する。

 同社は「まずは施設の魅力を磨き、多くの県民に来場してもらいたい。ネットワークを活用し、県外・訪日客へと事業を拡大させていく」(広報部)としている。

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