アクセスとトラベルポート統合へ、JLがグローバル対応加速
2019.04.01 18:01
日本航空(JL)は、子会社のアクセス国際ネットワークを英トラベルポートの日本法人トラベルポートジャパンと統合する。その前段階として6月1日、両子会社を保有する持ち株会社を合弁で設立する。座席流通でグローバルな対応を迫られるなか、ローカルGDSであるアクセスの技術開発力に限界があると判断。競争力の高いトラベルポートと組み、販売環境を整える。一方のトラベルポートは、アクセスが築いた顧客基盤の下、日本市場のシェア獲得を図る。
合弁会社はトラベルポートが株式66.6%、JLが33.4%を保有する。「アクセス・トラベルポート」にブランドを統一し、2子会社の3つのGDSを運営する。旅行会社との契約も一本化に向けて順次案内を進める。統合作業は年後半に開始するが、存続会社は未定。
新体制では、アクセス端末からトラベルポートのアポロとガリレオを操作でき、座席や付帯サービスをリッチコンテンツで提供できるようにする。法人旅行の分野では、クラウド型出張精算システムのコンカーの機能を取り入れる企業が増えており、接続を可能にしてグローバルな出張に対応する。
新流通規格(NDC)に対応したシステム提供も目指す。トラベルポートはNDCコンテンツを提供する技術基盤を備えており、JLは活用方針を年内にも固める意向。普及が進む欧米では旅行業界の反発もあるが、JLの柏頼之執行役員国際旅客販売本部長は「旅行会社の力に敬意を払い、日本市場に合ったやり方を検討する」との姿勢を示した。
両社はかねてから技術協力関係にあった。柏本部長は大手GDSの中で今回のパートナーに選んだトラベルポートを「旅行会社を見ているGDS」と評した。
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