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エアビーが間際予約のOTA買収、事業領域拡大へM&A加速

2019年3月25日 7:30 PM

ホテル・トゥナイトはモバイルオンリーOTAの代表格だが、デスクトップPCでも予約可能にした

 エアビーアンドビーは事業領域の拡大に向け、M&A(合併・買収)を加速させている。1月に法人向け会議スペース賃貸サイトを運営するデンマークのゲスト(Gaest.com)を買収したのに続き、3月初旬には間際予約サイトのホテル・トゥナイトと買収合意に至った。08年の創業から10年間で掲載物件は世界191カ国以上・600万件に拡大したが、あらゆる利用ニーズに即したサービスと受け皿の拡充により、顧客の裾野拡大を図る。

 ホテル・トゥナイトは、売れ残った客室をスマートフォンから当日予約できるモバイルオンリーOTA(オンライン旅行会社)の先駆け的存在。半値以上など大幅な割引価格が特徴だ。エアビーでは、出張や間際予約など利用目的が多様化しており、当日手配は前年比で2倍増ペースで推移している。ホテル・トゥナイトの事業基盤を取り込むことで成長に拍車をかける。

 北米や中南米、欧州を中心に独立系やブティックホテルを扱うホテル・トゥナイトの品ぞろえがエアビーの事業拡大路線と合致することも買収を後押しした。同社は昨年、空き部屋や空き家から商材を広げ、ブティックホテルやB&B、ホステル、リゾートの各カテゴリーを加えた。このうち、ブティックホテルの予約数は前年比3倍と急成長分野。同社の調査によると、ホテル宿泊者が次回の宿泊先に個人宅を選ぶケースは90%に上り、「ホテル・トゥナイトの買収でこの好影響はさらに加速する」と相乗効果を見込んでいる。ホテル・トゥナイト側も、予約基盤をPCにも広げるなど、利用者層の拡大に取り組んでいた。

 エアビーの利用は近年、法人間にも拡大。利用企業は40万社以上に広がっている。