18年、日本人の国内旅行消費額は2.8%減

2019.03.18 13:06

 観光庁がまとめた18年の日本人国内旅行消費額(速報値)は20兆5160億円となり、前年の確報値との比 較で2.8%減少した。4年ぶりのマイナス。全体の7割強を占める宿泊旅行が1.5%減で、日帰り旅行も6.9%減となった。相次ぐ自然災害や夏の記録的猛暑の影響を受け、延べ旅行者数が13.0%減少したことが大きく響いた。1人1回当たりの単価は、宿泊施設や施設入場料金の上昇傾向を受け11.7%増と伸びたが、旅行者数の減少を補えなかった。

 政府は観光立国推進基本計画で、国内旅行消費額を20年までに21兆円とする目標を掲げている。人口が減少に向かうなかでは決して低くない目標との位置づけだ。近年の推移では、14年以降増加を続けており、17年には21兆円台を達成したが、増加傾向に歯止めがかかった格好。

 18年の延べ旅行者数の内訳を見ると、宿泊旅行は9.7%減の2億9188万人となった。日帰り旅行はさらに落ち込みが大きく、16.3%減の2億7128万人だった。一方、1人1回当たりの単価は、宿泊旅行が9.1%増の5万4243円、日帰り旅行11.2%増の1万7264円といずれも伸びた。宿泊・日帰り旅行ともに旅行者数は11年以降の最低値だが、単価では過去最高を記録した。なかでも日帰り旅行の消費額増加が目立つ。観光庁の観光戦略課観光統計調査室は背景について、「テーマパークを中心とした施設入場料金の上昇傾向が影響している」と指摘する。

 18年を四半期ごとに見ると、1~3月、7~9月は消費額がプラスだったが、4~6月と10~12月は前年を下回った。特に10~12月は8.4%減と落ち込みが目立つ。「豪雨や地震などの自然災害が相次いだことが影響を及ぼした」(同)と見ている。