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白川郷が観光公害対策で入域制限、事前予約や有償化でイベントの混雑緩和

2019年3月11日 4:34 PM

 訪日客の増加に伴う観光公害が各地で問題となるなか、岐阜県白川村が混雑緩和に向けた対策を試みている。

 白川郷ライトアップを観光客の集中しない時期に見直し、展望台や駐車場への入場を制限。来場者を適正な数に抑える試みとして、効果を上げている。白川郷ライトアップは世界遺産の合掌造り集落を夜間にライトアップする人気のイベントで、最も観光客が集中する。

 中華圏や韓国からの観光客が増えており、いまでは外国人が入場者の7割ほど
を占める。住民約600人の地域にピーク日には7000人近くが訪れ、1~2時間の交通渋滞のほか、安全面が危惧されるほどの混雑が問題になっていた。イベント事務局を務める白川郷観光協会は、入域の適正人数を1日2時間で最大5000人と見ている。

 対策として、18年は中華圏からの訪日ピークを迎える春節期間とずらして開催したほか、無料で自由に入場できた展望台を900人までと上限を設け、500円を徴収。天候が悪かったこともあり、5000人程度に抑えられた。

 1月14日~2月17日に計6回行った今年は展望台入場料を1000円に引き上げ、1000人までとした。駐車場はこれまで制限がなかったマイカー・レンタカーに完全予約制を導入。予約窓口は中国語と英語に対応する協会ホームページに一元化し、駐車料金を1000円から3000円に引き上げ、1日450台に制限した。

 管理・運営は、体験サービスの企画を手掛ける飛騨市の旅ジョブが担った。同協会は、「ほとんど渋滞が見られず、のんびり観光できたとの声もあった」と効果を語る。展望台と駐車場の入場制限は来年も続ける予定で、「事業者の声を聞き、よりよい受け入れ策を検討していく」としている。