2019年2月25日 4:27 PM
観光庁は外国人観光案内所(TIC)の増加に向けた施策の検討を開始した。
明日の日本を支える観光ビジョンでは、20年までの目標設置数を1500カ所と定めているが、導入から6年が経過して徐々に伸びが鈍化し、19年1月末時点で1003カ所となっている。検討会を新たに設置し、認定箇所を増やすための周知策に加え、既存の案内所のブランド力と質の向上に向けた施策も議論する。
観光案内所の質の担保と向上を目的に、12年10月に認定制度が創設され、日本政府観光局(JNTO)がその受け入れ体制に応じてカテゴリー1~3・パートナー施設の4段階で認定している。初年度は341カ所で、15年度には759カ所にまで伸びた。
その後も16年度851、17年度911と少しずつ増えてはいるとはいえ、観光庁は「仮にこのままのペースで推移すると、目標達成は難しい」(外客受入担当参事官室)と見ている。
伸び悩みの要因の1つは、認定のメリットが案内所や運営する自治体などに十分に周知されていないことだ。認定を受ければ、安心・安全といったブランド力の向上につながるだけでなく、Wi-Fiや多言語化といった環境整備の助成メニューを活用できる。
観光庁はこれまで説明会などを開催してきたが、「地域によっては周知が進んでいないケースもある」(同)という。都道府県別の認定数を見ると、東京91、北海道59に対し、大阪35、沖縄15と少なく、観光客の多い地域でもばらつきがあ のが現状だ。
検討会では、訪日外国人の観光案内所に対するニーズを調査し、結果を案内所と共有する。表彰制度の創設なども検討し、周知策も含めて3月末までに取り組み策をまとめる方針だ。
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