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18年の国際旅行者、2年前倒しで14億人突破

2019年2月11日 11:05 AM

 世界観光機関(UNWTO)によると、18年(1~12月)に世界各地が受け入れた海外からの宿泊を伴う国際旅行者数は、前年同期に比べ6%増加し、14億人となった。9年連続のプラス成長で、20年の予測人数に2年前倒しで達した。著しい経済成長やより手頃な価格の航空券の流通、テクノロジーの変化などが要因と見ている。

 各国へのインバウンドを示す到着客数の動向を見ると、欧州、アジア太平洋、米大陸、アフリカ、中東の全方面でプラスだった。欧州は6%増の7億1300万人と、全世界の海外旅行者の約半数が訪れており、最大の受け入れ地域であることに変わりはない。だが、伸び率で上回るのは、10%増で6400万人の中東と7%増で6700万人のアフリカ。なかでも北アフリカは10%増と前年に続き2桁成長を続けている。

 また、アジア太平洋には6%増の3億4300万人が訪れた。これを細分化すると、東南アジアの7%増を筆頭に、日本を含む北東アジアが6%増、南アジアが5%増と続く。オセアニアは3%増と小幅だった。

  UNWTOは19年の動向について、3~4%増の成長を見込む。燃油価格の安定やインド・ロシアなどの海外旅行需要がプラスに働くと見ている。一方で、英国の欧州連合(EU)離脱の不透明さや地政学的・貿易緊張などのマイナス要素も指摘。地域別では、アジア太平洋が5~6%増で成長の牽引役となり、中東も4~6%増と平均を上回る見通し。米大陸は2~3%増と平均を下回ると予測している。

 地域別で成長率が平均を下回ったのは米大陸のみで、3%増の2億1700万人にとどまった。ハリケーンの影響を受けた中央アメリカやカリブ海が2%減となったことが大きい。