現地体験ツアーのベルトラ、上場で成長に拍車
2019.01.28 16:11
現地地体験ツアーに特化したオンライン予約サービスのベルトラが12月25日、東証マザーズ市場に上場した。スマートフォンの普及に伴い需要が拡大している旅ナカ事業に先鞭をつけ、独自の立ち位置を確立してきたが、市場の大半はいまだオフライン取引で未開拓市場が眠る。上場で得る社会的な信頼性を糧に仕入れ強化や販路拡大を図る。
トップに就任した15年から上場を目指し組織を率いてきた二木渉代表取締役社長CEOは、「信用力が非常に重要でIPOは1つのステータスになる」と力を込める。世界145カ国・地域の充実した品ぞろえは約5000社の現地企業との契約に基づいており、交渉がよりスムーズに運ぶようになると期待する。
優先的に取り組む重点分野が国内外での事業者間取引だ。ベルトラは旅行者と現地ガイドの交流を促すツアーやアクティビティーが全商品の66%を占め、アトラクションや入場券を主力とする同業他社と一線を画す。ただ、現地ツアー市場の約80%は旅行会社の店頭などネットを介さない手続きで成り立っているのが現状。旅行会社や旅行関連企業への供給を増やし、市場獲得のスピードを速める。海外では、特に中国を中心とするアジア市場に照準を当て、グローバル取引を加速させる。
事業者間取引は直販に比べ広告宣伝費を抑制でき、利益率の向上にも貢献する。18年12月期は営業収益が前期比18.4%増の33億6400万円、営業利益が4.4倍の3億9200万円と大幅成長を見込むが、利益率は11%台。これを21年12月期までに20%へ引き上げる。
現在は出発前に予約が必要な商品が大半だが、当日予約のニーズに対応する体制も整える。システム開発を進め、予約インセンティブなどの仕掛けを講じていく意向だ。
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