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イベントで臨時免税店を可能に、税制改正で地方店増加に弾み

2019年1月7日 5:21 PM

 政府は訪日外国人の消費免税制度を拡充し、地域の祭りやイベントに免税店を臨時出店できるようにする。

 新年度の税制改正大綱に盛り込み、7月から運用を始める。訪日客の人気が高まる地域の祭りに加え、19年のラグビー・ワールドカップ(W杯)や20年の東京オリンピック・パラリンピックの関連イベントなどでの活用を想定している。

 現行制度では、事業者が許可を得た場所のみでの免税販売に限られている。制度改正により、すでに免税店の許可を受けている事業者が臨時店設置の事前承認を得ることを条件に最大7カ月間の出店を認める。その場合、出店前日までの届け出が必要。15年4月に外航クルーズ寄港時に埠頭に出店を認める改正を行っており、これに続く臨時免税店制度の拡充となる。

 免税制度は、訪日客の消費額引き上げ効果が見込め、政府が重要視する施策の1つ。観光庁は、購入下限額の引き下げをはじめ、一般物品と消耗品の合算を認めるなど、利用者や事業者の利便性を高める目的で4回にわたって改正を行ってきた。

 ただ、免税店数は制度開始当初に比べ、伸び悩んでいる。12年4月の4173店から18年4月には4万4646店に拡大。その一方で、3大都市圏以外の地方に絞ると1万7118店となり、18年までに2万店規模としていた政府目標に届いていない。

 観光庁はこれまでの制度拡充などが功を奏し、「大型チェーンや都市圏ではかなり周知が進んできた」(観光戦略課)と見る。地方の問題に関しては、訪日リピーターによる観光需要が増えていることから、「柔軟性が高まった今回の改正の周知も含めて、特に活用を促していく」としている。