2018年6月11日 8:00 AM
クルーズ単品販売に特化した予約サイト「ベストワンクルーズ」で業績を伸ばし、4月25日に東証マザーズ上場を果たした。「5年以内に売上高・集客人数で業界ナンバーワンを目指す」と語り、若い世代の開拓に意欲を示す。
国内最大規模となる1万7000コースを掲載。ロングテールの品ぞろえとリアルタイムに比較できる利便性の高さが大きな強みだ。日本の旅行業界ではまだ例が少ない船会社とのAPI連携を積極的に推進し、コースや空室情報を直接引き出してきたことが奏功。売上高で2桁成長を続け、18年7月期は前期比44.1%増の17億2430万円、経常利益で133.6%増の1億2108万円を見込む。
クルーズは高額商品で対面販売が一般的なモデル。「ネットでは売れないと言われてきたが覆したかった」と話すように、日本で出回っていない安価で距離・時間の短いコースも数多く紹介。リピーター・シニア世代が多い市場にあって、7割が新規、6割以上が50代以下と新たな客層を切り開いた。
調達資金をチャータークルーズの実施やサイト改良、人材確保に充てる。販路開拓を目指し、異業種連携も進める。日本のクルーズ人口24万8000人のうち、シェアは2~3%程度。50万人時代に15%の獲得を目指す。
エイチ・アイ・エスの澤田秀雄代表取締役会長の長男。「成長分野ならどこでも飛び込み、新しいことをしたい」と改革精神はどこか重なる。クルーズにとどまらず、新たな旅行分野にも参入する考えだ。
さわだ・ひでたか●1981年生まれ。日興コーディアル証券を経て、澤田ホールディングス取締役、エイチ・エス証券取締役を歴任。12年から現職。16年から子会社のファイブスタークルーズ代表取締役会長を兼務。
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